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 前世の記憶なんてものと共に生まれ落ちた世界は、以前のそれと似ているようで、根本から異なっていた。
 ペナルティで追加される「理」たちは、まさしく前世の世界に最初から備わっていたものだった。
 前世の世界でも、同じことが起こっていて、自分は「否定者」ではないから、「理」が追加されたことに気付かなかっただけだ、という仮定は、たぶん違う。
 だって、この世界に生まれて、私は「否定者」ではないのに、「理」が追加される前と追加された後のことを、正しく知っている。はじめからそうであったかのように「理」が追加されて一新する世界の、その前後を知っている。
 そんな私が、その異常性を隠したままユニオンの構成員になれたのは、本当に幸運だったのだろう。10人の「否定者」以外の異常性を排斥する組織にもしもバレたら、一体どんな目に遭うか。自白剤で済めば良い。拷問、人体実験、私の思いもよらない残酷なこと。想像するだけで、身震いする。
 ──それでも。

「……こんにちは、ジュイスさん」
「ああ、君は……名前といったか。こんにちは」

 長い髪を翻す、美しき「否定者」の頂点。
 この人と共に在れるのは、この場所しかない。



200728 約30の嘘
ジュイス夢になるかはわからないけど、こういう前世あり転生主のアンデラ夢は、もう少し世界観が明らかになった頃にしっかり書けたら良いなと思います。