幕間01
よくつるんでいた相手と、仲たがいをした。
白昼での喧嘩はそこそこに周囲の目を惹き、道行く悪魔たちからは遠巻きにされた。
その渦中、怒りと悲しみで顔を彩る「元」関係者が走り去るのを、悪魔は無表情で見つめていた。
特に、思うことは無かった。
──悪魔は、最初からこうなることを知っていた。初めて、相手が自分に話しかけてきたときから。
数年の付き合いになることも。
あるとき道を分かち、そのような日々は一切訪れなくなることも。
全て知ったうえで、悪魔は、相手と交流していた。
別たれる覚悟すら、そもそも必要が無かった。悪魔にとって、誰との関係も、物との関係も、初めからすべて知るものだった。生まれたときから、そういうものであった。
別れに傷つくのは、「期待」や「希望」の裏返しだ。だから、悪魔は別れの悲しみを知らない。
初めから、知っているからだ。
数年を共に過ごした姿が走り去った方と、自分との間に視線をずらす。そして満足して、悪魔は歩き出す。まるで決めていたかのように、ふらりと小さな公園へ入った。ベンチに座り、背をもたれかからせる。
子どもたちが遊んでいる。誰も彼も仲は良さそうで、楽しそうだった。
なんとなしに、悪魔は鞄を漁る。そして、少しだけ目を見開いた。引き抜いた手には、魔がりこの箱がある。悪魔はそれを、物珍しげに見つめた。
これをくれた、男悪魔の窺うような顔が、頭によぎった。
OPENの文字に従い、接着された蓋を引きはがす。棒状のスナック菓子が、からりと軽い音を立てた。
ひとつ取って、口に運ぶ。
「…………まあまあ」
粉々のスーパーノヴァ
title by alkalism 220612